精神的ジャパニーズドリーム~理念の革命~

   新時代の日本のあらゆる分野において、「精神的ジャパニーズドリーム」を起こしてゆくための根本理念を提示します。

『新時代の経済思想家によせて』(6)  天川貴之

 

 そこで、第三に、理念自由主義的経済思想が求められるのである。これは、マックス=ウェーバー等の「没価値性の理論」に対するアンチテーゼでもあるが、新時代は、本来の理念価値が実現される時代であり、経済学の中に理念へと向かう規範的方向性が見出されなくてはならないのである。

 これは、自由主義経済の原理を尊重した上での理念自由主義経済となってゆくであろう。新時代の自由とは、理念への自由であって、理念を実現する自由こそが、真なる自由とされるのである。

 そこでは、例えば、自由な経済主体たる企業の使命は、営利活動を通して、理念価値を実現することであり、各々の企業は、普遍的な理念価値を、独自の個性を生かして、時代、地域、人々のニーズに合った形で実現してゆくことを目標として、より一層、理念価値を直接的に反映しながら、なおかつ、社会のニーズをも満たした企業こそが最優良企業とみなされることになるのである。

 さらに、国家の使命としては、公益活動を通して、天意に適う方向で、「かくあるべし」という理念価値をよりよく実現することが求められるのであり、具体的には、かつてケインズが、有効需要を創出増大して国家を大恐慌から救ったように、政府が理念ユートピア需要を創出増大してゆくことによって、国家を、経済的のみならず、精神の大恐慌からも救ってゆく政策も大切になってくるし、また、理念規範から見て優良な法人や個人等を、税制や金利の面で優遇してゆく政策も大切になってくるであろう。

 

(つづく)