「新時代の科学者によせて」(3) 天川貴之
特に、今までは、科学の対象は三次元の現象界であって、宗教の対象は心の世界であるとして役割分担していたが、現代においては、心の世界もまた、心理学、精神科学などの発達に従って法則性があることが実証されてきている今、科学の対象もまた、心の世界の法則性の解明へと向かうのは必須である。
そもそも、すべての世界が神の法則性に基づいて創られているのならば、科学の対象もまた、本来すべての世界であって当然である。
また、三次元の現象界であっても、同時にそれが神の創られた世界であるならば、宗教の対象もまた、三次元の現象界をも含まねばならないのは当然であるのである。
近代の宗教思想の中には、心の世界と三次元の自然界との対応関係、象徴関係の大切さを強調したものがあるが、これなども、三次元世界をそもそも創造されたのが神であるならば、この三次元世界の中にも、神の意志、神の御心が象徴されており、これを忖度してゆかなくてはならないという所にその根拠があるのであろう。
実際に、自然界に当然のようにあるものであっても、私達の現代の科学技術をはるかに超えているし、花一輪さえも、未だに人類は人工的に創造することが出来ない。
人間は、確かに自由意志と理性をもった存在ではあるが、実の所、人体という生長する有機体を、どんなに技術を尽くしても、なかなか創造することは出来ないであろう。
(つづく)