精神的ジャパニーズドリーム~理念の革命~

   新時代の日本のあらゆる分野において、「精神的ジャパニーズドリーム」を起こしてゆくための根本理念を提示します。

「新時代のモラリストによせて」(3)

 

 現代という時代の端境期には、そして、最高の文化的興隆期には、必ずや、優れたモラリスト達が出現してくるはずであるし、また、その出現を待ち望む風潮を創ってゆかなくてはならない。

 かつての古代中国において、孔子や、老子や、墨子等を輩出したように、かつてのローマ時代において、セネカや、エピクテトスや、マルクス・アウレリウスを輩出したように、また、ルネサンス期には、ベーコンやモンテニューを、近代には、エマソンや、ゲーテや、福沢諭吉等を輩出したように、その時代、その時代の文化的高みを善なる方向へと導き、文化、文明に道徳的支柱を与える賢人達は、文化文明が進むにつれて、ともすれば道徳的に盲目になりがちな人間にとって、必要欠くべからざる存在であられるのである。

 真理を探究する時代は、同時に、善き時代、徳ある時代でなくてはならないし、真理を探究する人間の一人一人も、善き人間であり、徳ある人間でなくてはならないのである。

 かつて、カントが述べられたように、いかなる学問分野、いかなる職業に従事されている方であっても、すべからく、自らの生きるべき規範、格率を確立しなければならないのである。

 自己の格率によって生きる人間こそ、真なる人格であり、その格率が普遍なる道徳律と合致した時にこそ、その人格は真に尊厳ある人格となることが出来るのである。

 このように、人間を人間たらしめ、人間性を最高度に発揮せしめるものは、その人のモラルであるといってもよいのである。

 

(つづく)