「新時代の教育者によせて」(6) 天川貴之
では、いかなる若者が未来の天才であるのかを、どうやって見抜き、発掘すればよいのかと、たずねる方もおられるかもしれないが、先程も述べたとおり、天才的教育家のみが、新時代の天才を見抜き、育てうるのであり、かかる人物のもとにのみ、数多くの天才の卵達が、自ずからすい寄せられてくるのであるから、かかる聖なる仕事は、天才的教育家にこそ任せておけばよいのである。
だからこそ、新時代の大転回期にあたっている今、最もなすべきことは、天才的教育家の発掘である。
かかる二十一世紀の精神の燈台を、我々は、一人でも多く、一人でも個性豊かに、あらゆる地域、あらゆる世代の方が、一致団結して、国家をあげて、いや、世界をあげて、捜し求めなくてはならないのである。
二十一世紀の希望の光を掲げる者、新文明の時代の息吹を投げかける者を、永遠の魂の師を、今の時代は要請している。
最も聖なる使命である天才教育者の出現を、数多くの天才達を待ち望む以上に、時代が待ち望んでいる。
様々なものを育てることは、それぞれに素晴らしい。しかし、新しき人間の生命を、二十一世紀の精神そのものを育てることは、最高にして最大の価値を有することであるのである。
新しき教育者による新しい教育が生まれること、新しき教育者による新しき時代が生まれること、これこそ、後世への、いや、全人類への最大の愛である。
(おわり)
by 天川貴之