「新時代の志士によせて」(9) 天川貴之
故に、行動の天才であればある程に、哲学の天才、思想の天才、学問の天才の門を数多く叩いて、積極的に師弟の礼をとり、学んでいっていただきたいのである。
理念上の師を求めることは、理念の志士にとって崇高なる義務である。これは最高の美徳なのである。
決して、異質な人々だと思って、彼らに苦手意識を持ったり、反感を持ったりしてはならない。
精神的なる師を持って初めて大いなる志士として大成出来るということは、かの松下村塾や慶應義塾や適塾などの例を出すまでもなく、真理なのである。
理念の哲人と理念の志士は、本来一体の生命である。一なる生命が、二つの天分となって顕れているだけなのである。
本来一なるものが、一なるものとして使命を果たしてゆかんとする時、そこに新たなる回天の偉業が始まってゆくのである。
(by 天川貴之)