「新時代の小説家によせて」(7) 天川貴之
そのソクラテスの姿は、イエス・キリストの十字架の姿と非常に酷似したものを感じるが、どこが似ているのかと考えてみると、両者とも、神の意志というもの、神の意図されるストーリー、すなわち、自らの運命というものをよく知っておられ、それ故に、「我、世に勝てり」という確信と、すべての現象の悲劇を超越した法悦のようなものに満たされておられた点にあるのではないかと思われる。
すなわち、ある点において、こうした大聖人の方々は、皆、世界が神の大小説であり、自分自身が神の意志によって世に遣わされた主人公の一人であるということを知っておられたのであろう。
神は、世界を創られ、人間を創られ、悠久の時の流れの中で様々な芸術創造を通して人々を導かれようとしている。
今現在においても、そして、これより後の未来においても、一条の神の計画があり、神の大小説が演じられてゆくのである。
(つづく)
by 天川貴之
(JDR総合研究所・代表)