精神的ジャパニーズドリーム~理念の革命~

   新時代の日本のあらゆる分野において、「精神的ジャパニーズドリーム」を起こしてゆくための根本理念を提示します。

「新時代の音楽家によせて」(7)    天川貴之

 

 モーツァルトの音楽は、どれも一定の透明感と格調高い美しさを持っていて、どれを聴いても、それが彼特有のものであることが分かる。

 彼は、一生を通じて、順境の時でも、逆境の時でも、また、人々に称賛される時でも、非難される時でも、病の時にも、失意の時にも、喜びの時にも、おそらく常に同じ音楽を奏でつづけておられたのであろう。

 モーツァルトのことを、その外なる姿の面において、子供じみていると批判する方もおられるが、彼は、決して子供じみているのではなくて、子供とみまごう程に天使的であるのだ。

 小林秀雄は、モーツァルトの音楽のことを悲しみの音楽としてみておられるが、私には、モーツァルトの悲しみの旋律の奥にさえ、天上の微笑、天上の悦びが観える。

 彼は、地上的なる悲しみや喜びを超越して、常に天上の悦びに満たされていたのだ。これは、仏教的には、涅槃の法悦と同じ味わいであって、決して悲しみという執着に染まっていない音色なのである。

 新時代が求めている新しき音楽とは、地上にあって何ものにも染まらない、永遠の悦びを人々に感じさせる音楽である。それは、天使の声そのものであり、神の声そのものであるような音楽である。

 すべての人々の内にある理念を、その光の音色によって輝かせうるような偉大なる心情を持った音楽家の出現は、人類にとって永遠の希望の福音である。

 

(おわり)

 

 

 

 

 

 

  by 天川貴之

(JDR総合研究所・代表)