「新時代の批評家によせて」(4) 天川貴之
かのデール=カーネギーという、アメリカの人間関係の大家は、人間関係の最高の秘訣、人を動かす最高の秘訣を、他人の欠点を責めず、長所を誉めてゆくことにあると述べられているのであり、例えば、家庭生活においても、夫婦の関係が最も悪くなる理由として、お互いの欠点を探しあうことを挙げておられるのである。
このことを考えてみても、それは個人の家庭のみならず、社会や国家の言葉を発する代表者でもある多くの批評家やマスコミが欠点を探す言論ばかりをしていれば、社会全体、国家全体が不調和になり乱れてゆくことは当然である。
その反対に、新しき光明批評家、光明マスコミが良い所を発見することにその言葉を使われたならば、その分、社会全体、国家全体が調和に満たされ、発展してゆくのは間違いないのである。
また、言葉というものは、繁栄を創り出すことも、貧窮を創り出すことも自由自在なのであり、不況の原因をマスコミによるバブルたたきに求める見解は、まさしくこのような言葉の実現力のことをいっているのである。
特に、欠点探しをする言葉は貧窮を創り出す最たるものであり、祝福する言葉は豊かさを創り出す最たるものであるから、積極的にもっと祝福の言葉を使い、さらには、豊かさをもたらす言葉である希望の言葉、明るい言葉、肯定的な言葉などを数多く使ってゆけば、確実にマスコミの言葉の力によって好況を創出してゆけるものなのである。
(つづく)
by 天川貴之
(JDR総合研究所・代表)