「新時代のスポーツマンによせて」(2) 天川貴之
これより超一流のスポーツ選手に必要な精神態度について述べてゆきたい。
まず第一に、大和魂というが如き気概である。これがなければ、スポーツにおいて、つらい修行に耐え、勝利の栄冠を獲得することはできないのである。
大いなる精神力の強靱さは、磨けば磨く程に強くなってゆくものである。そして、数年、十年、二十年、三十年と一貫して修行してゆく過程で、たとえ肉体が衰退したとしても、精神力は無限に向上してゆくものである。
この精神力は、地上を去っても実力となるものであり、栄光となるものであるので、一生を通して磨いていっていただきたいと思う。
第二に、平常心をもつことである。闘魂を持ちながらも、淡々として歩むことが大切である。平凡な一日一日の積み重ねが大切である。
そして、どのようなことがあろうとも、心が揺れない不動心を培ってゆかなければならない。勝負の世界においては、心を大きく揺らした方が負けるのである。
例えば、かの厳流島での宮本武蔵と佐々木小次郎の対決においても、佐々木小次郎の心の乱れが主な敗因であるといえるのである。
故に、常日頃から心を整え、平静な心を保つことを訓練しておかなくてはならない。
(つづく)
by 天川貴之
(JDR総合研究所・代表)