「新時代のスポーツマンによせて」(5) 天川貴之
第七には、愛である。これは、自己の訓練を、独り自己満足に終わらせてしまうのではなく、常に多くの観客を喜ばすために、さらには、国威を高揚させる程に、奉仕させていただくという精神が大切なのである。
自分が目立ちたいだけでやっているのは単なる自己顕示欲でしかないが、多くの人々のために奉仕してゆくことは、それは、愛なのである。
大いなるサービス精神の発露としての愛を体現されている選手は、万人から愛されるのである。
その優れた技の輝きは、大いなる愛の光を纏った時に、最高の光となって結実するのである。
結局の所、そのスポーツ選手の成果とは、どれだけ多くの人々を喜ばせ、勇気づけてさしあげることが出来たかという点において測られるのである。
第八には、美である。神が人間にスポーツを予定して創造されたということは、どの技も最高度に洗練されたものは美しいということでわかるのである。
最高の機能的有効さが、最高の美の完成として顕れるということは、それは、人間の芸術そのものである。
男性の場合はより雄大なる美しさとして、女性の場合はより優美なる美しさとして顕れる。
また、その人その人の個性的美しさというものもあり、かかる美しさを発見し、追求してゆくことも大切なことであると言える。