2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
大きな意味において、この世界を神の小説とみる見解は、ドイツの観念論哲学を大成されたヘーゲルの「歴史哲学」などにおける、「絶対精神の世界展開」という趣旨と一致する。 かかる観点から見れば、世界史とはまさしく神の書かれた小説そのものなのであり、…
この人間と世界という小説は、人間が創った小説とは異なり主人公自身が作者と同じ生命の一部であって、主体的なる思考力と自由創造力を持って生きていて、その過程で、時にはその創造力によって作者の意図とは離れたことをし、時には作者の意図に適ったこと…
私は、小説を読む度に、神は小説を書くようにして世界を創造されて、また、されつつあるのではないかと思うことがよくある。 我々が生きている世界とは、実は、小説の中の世界の如きものであって、この世界からは感じることの出来ない次元の世界で、神は我々…
もちろん、小説に登場してくる人物が偉人となるためには、それを表現した所の作者自身が偉人の精神を宿しておかねばならず、「ウェルテル」は、若き感性豊かな詩人ゲーテの偉大なる精神像であるし、「ファウスト」は、老いた永遠の求道者にして、救済を求め…