「新時代の起業家によせて」(1)
資本主義も大いなる試練の時を迎えているが、このような時に最も望まれているのが、新しき時代を切り拓かんとする起業家である。
かつてアメリカンドリームを創出したのも、数人、数十人の優れた起業家なのであり、優れた起業家に押し上げられるようにして、国家は豊かになり、繁栄し、また、その豊かなる基礎力によって、学問や芸術が育まれてゆくのである。
よって、ジャパニーズドリームの潮流の始まりにおいて、今、その火ぶたを切るものは、新しき起業家であり、新しき起業家を待ち望むような時代の雰囲気である。
新しき起業家達よ、今は、大不況の大波が日本をおおっているようにみえるけれども、このような時だからこそ、あなた方の船出する時期でもあるのである。大波とたわむれ、大波を克服する所にこそ、新しきサクセスストーリーの生ずる源があるのである。
今、日本は、一部の、未来の無限の豊かさを心の内に秘蔵せるものの想念と、大多数の、過去の有限なる貧しさや不安にうちひしがれているものの想念の、相剋する時代を迎えているのである。
そして、未来への希望を抱く人々が、このような時代の逆流を乗りこえて、自らの剛き信念の下に、圧倒的なる希望の念いを実現し始めた時、そこから、新しき希望の時代が拓けてゆくことになっているのである。
故に、今こそ、新時代の起業家にとっては最高の試しの時期であり、最高に自らの信念が鍛えられている時期でもあるのである。
あのサーファーが波乗りに、あるものは成功し、あるものは失敗するように、数多くの起業家達が試練の波に呑みこまれてゆく姿も見えるかもしれない。厳しい現実の前に、はかない夢が数多く打ち砕かれてゆく姿も見えるかもしれない。
しかし、時代は、一握りの真なる希望を掲げつづけた方々が、新しき大陸にたどりつくことを待ち望んでいるのである。本物の信念ある勝利者をこそ、待ち望んでいるのである。
(つづく)