「新時代の映画監督によせて」(4) 天川貴之
人生とは、いわば神との対話の連続である。神の応えは、常に運命という形で自分自身に降りかかってくるのである。
かつて老子が、「天網恢恢、疎にして失わず」と云われたことの真意は、まさしく、この神の業の法則について云われていたのである。
どんなに小さなゴミのようなものであってもすべて重力の法則が平等に運用されるように、いくら巧みに他人に知られないように悪事を働こうとも、必ず、それに対する反作用を人生のいずれかの時点で受け継ぐようになるのである。
聖書の中において、「播いた種は刈り取らねばならない。」、「与える者は与えられるであろう。」、「許す者は許されるであろう。」、「憐れむ者は憐れまれるであろう。」、「剣を取る者は剣によって滅ぶであろう。」等と述べられているように、自らの人生と運命を、また、歴史上のあらゆる人生と運命を一つ一つ眺めてみると、そこに何一つ例外がないことに気づくのである。
(つづく)
by 天川貴之
(JDR総合研究所・代表)