「新時代のビジネスマンによせて」（５）

　では次に、具体的に愛故の成功を築くための日々の秘訣を述べておきたい。

　まず第一に、一日の仕事を始める前に、与えられている愛を発見してゆく習慣をつけてゆくことである。

　よくよく内省してみると、通常では当然だと思って意識しないけれども、既に数多くの愛を与えられている自分というものを発見出来るものである。

　両親から与えられた愛、友人知人から与えられた愛、会社から与えられた愛、社会から与えられた愛、国家から与えられた愛、大自然から与えられた愛、こうしたものを具体的にふり返ってゆくと、自然自然に感謝の心が湧きおこり、そのような感謝の心は、自然に、報恩の心、愛の心、利他の心を育んでゆくはずである。

　与えられた愛も、それを認識出来なければ、存在しないことと同じになってしまうが、それを積極的に発見してゆけば、充実した、満々とした実在感をもつものとなってゆくのである。

　このようにして、愛を蓄積してゆくと、仕事を通しても、自然に純粋な愛が実践出来るようになる。義務として「愛を実践しよう」と念っている段階では、その愛は、未だ幾分不純なのであって、内なる愛が不足しているといえるのである。

　内なる愛が自然に仕事ににじみ出してくるようになると、仕事が、愛の輝き、理念の輝きを放つようになり、表面的には一見同じことをしているようにみえても、全く異なった成果を生むようになってくるのである。

　この純粋な愛の仕事を積み重ねるということが、どれだけの奇跡的発展を起こしてゆくかということは、誰でも、追体験出来ることである。

（つづく）