精神的ジャパニーズドリーム~理念の革命~

   新時代の日本のあらゆる分野において、「精神的ジャパニーズドリーム」を起こしてゆくための根本理念を提示します。

『新時代の学者によせて』(5)    天川貴之

 

 そして、特に、新時代の学者像としてどうしても大切なことは、総合的な視野を持ち、すべての学問のつながりを理解し、その本質的同一性を看破することである。

 手も、足も、目も、耳も、独立して存在するのではなく、人間そのもののために有機的に存在するものであるように、学者としても、有機的生命体の一部として各々の学問分野を認識し、常に、その主体たる全体の精神としての学問そのもの、精神そのものを探究する態度を持つことである。

 これは、形の上では、幅広い学問をすることの薦めにはなっていようが、実質は、その奥にある、すべてが帰一する所の一なる真理を常に探究することの大切さをいっているのである。

 真理そのものを学びつづけ、自己の内に真理そのものに近い精神を築いてゆくことこそ、新時代の学者の使命である。一なる精神に到達した時に初めて、真に新世紀に全く新たな学問体系を樹立してゆく旗手となることが出来るのである。

 故に、狭義の学者の職分を、形の上でも、その本質の上でも超えてゆかねばならない。

 新時代とは、複雑に分化した学問がすべて一つになり、大自然も、世界も、宇宙も、すべてを貫く真理の糸に到達することから始まってゆくのであるから。

 一なる存在者と出会い、一なる存在者の様々な生命の輝きを生かしながら、生命ある個性、輝きある個性を、さらに創造してゆくことにあるのだから。

 学者は、学者としての精神の脱皮をなし、自己の精神の、いや、その前提となる学者としての気概の衣替えをしないといけないのである。

 時代の大転換点に立つ学者は、過去のことばかりをふり返ってばかりではいけない。未来に向けて、新たなる精神を創造してゆく使命を担わなければならないのである。

 かかる学者こそ、この知性の時代を乗り越え、新時代の到来を告げる希望の星たりうるのである。

 

(おわり)