『新時代の経済思想家によせて』(3) 天川貴之
このように、豊かなる人こそが、無限の豊かさの一部を地上に実現している旗手であり、リーダーなのである。このような無限の豊かさに着眼する時に、新時代に必要な経済思想とは如何なるものなのであろうか。
まず第一は、唯心論的経済思想である。現代は、心不在の人間観が横行する中で、徐々に心の大切さが主張されるようになってきているが、経済学の中にも、心を中心に据えた思想が確立されてゆかなくてはならない。
人間にとって、心の方が肉体よりもより本質的であるように、経済学においても、経済活動における心のあり方・心の法則はより本質的であり、さらに重視してゆかなければならないものなのである。
例えば、想念の力についても、数多くの成功哲学者達が理論化し、それが経済人を通して実証されているように、心の法則の中には、自己実現の法則、成功の法則、繁栄の法則等があり、かかる心の法則に基づいた経済活動をすれば、経済的成功や経済的繁栄などの目に見える成果が確実に上がってゆくのである。
その他にも、アイデアなどの智慧も、その出発点においては目に見えない精神的なものを始まりとする。
また、かかるアイデアが非常な経済的効果を上げており、アイデア的ソフトビジネスが新世紀の主流産業としての地位をさらに大きくすることが予測される以上、このようなアイデアの開発の源となる心のあり方が大いに探究されてしかるべきであろう。
(つづく)