「新時代の科学者によせて」(6) 天川貴之
このように観てゆくと、我々が、従来、単に精神的なものとして、物質的なものと区別してきたようなものも、実際に客観的実在であり、普遍の法則のもとに、確固として存在していることがわかってくるはずである。
実際に、愛そのものは実在し、それは愛に関する心の法則のもとにあるのであり、繁栄そのものは実在し、それは繁栄に関する心の法則のもとにあるのであり、心の法則に従えば、合理的に愛を増やし、愛を大きくすることも出来れば、合理的に繁栄を増進してゆくことも出来るのである。
これらは、古来より宗教や思想などによって何度も何度もくり返し言葉にされ、教えとなり、その教えを実践することによって現実的効果を生ぜしめてきたものであるが、人類の科学が充分に発達していない時には、それを法則として、科学的に説明することが出来なかったのである。
しかし、これより後、もはや神秘の教えによる神秘の現象というベールをはがし、すべてを理性の白日のもとに、万人に証明してみせる時代がやってきている。
宗教的直観は、ある意味で、理性を何千年も先どりしていたが、科学的理性が大発達しつつある現代、そして未来であるからこそ、これを科学的にも解明することが出来るようになってきたのである。
(つづく)