『新時代の医学者によせて』(3) 天川貴之
第三に、悲しみの念い、暗い念い、憂いの念いである。
植物でも、暗くじめじめした所では充分に育たず、枯れてゆくことが多いように、人間の心も、暗くうちひしがれた状態を保ち続けると、健康を妨げ、病気を悪化させることになりやすいのである。
従って、どのような境遇にあろうとも、常に明るく朗らかな念いを把持し続けなければならない。常に笑顔を絶やさず、春風のような念いを放ち続けなければならない。
そうすれば、自分自身がますます健康になり、病であれば確実に回復の方向に向かうのはもちろんのこと、自分の周囲の人々にも、明るさという何よりもの長寿の秘薬、健康増進の秘薬を与え続けることができるのである。
第四に、愚痴の念い、不平不満の念いである。
例えば、病にかかっていたとしても、常に「私は病にかかってしまった、何と不幸なのだろう」などと念いつづけていると、念いと言葉には力があるので、マイナスの現象がより一層大きくなってゆき、病はますます重くなってゆくものなのである。こういう時程、プラスの念い、特に、感謝の念いを出してゆかなくてはならない。
病にかかることによって反省の機会が与えられたことに感謝し、今まで健康であったことのありがたさに感謝し、看病して下さる人々に感謝し、体のすべての細胞の働きに感謝しなければならない。
さすれば、人間であっても、感謝の念いを投げかけられると、より一層、活発に働けるようになるのと同じように、感謝の念いの内に、体のすべての細胞も活発に働き始め、体の自然治癒力も活発に働き始め、体は確実に回復し、健康体になってゆくのである。
(つづく)