『新時代の医学者によせて』(6) 天川貴之
例えば、一匹の猫をとってみても、彼は自ら主体的に生きているように思っていながら、実際は彼自身の智恵によって創り出したものは、何もないことに気づいているのであろうか。
その手の機能や、足の機能、精密な目や、脳の機能、そして本能のすべては、大自然の叡智によって与えられたものなのである。
人間の肉体もまた、はるかに人間の智慧を超えた理念の叡智によって生かされているのであり、こうした人間であるならば、いかに与えられた理念の叡智を引き出し、与えられたエネルギーを活性化させるかということを、最大の研究課題としなければならないのである。
そして、そのための方法は、心を限りなく空しくして、大自然の叡智と一体となる方法を探究することである。
先程、心のもち方として、希望、自信、明るさ、感謝、愛などをあげたけれども、これらもすべて、大自然と一体となる方法である。
大自然とは、神が創られた世界であり、神は、その中に、真理として、善として、また、美として、愛として、繁栄として、内在しておられるのである。
だから、大自然と一体となる道は、根源なる神の心、神の理法と一体となる道である。
(つづく)