精神的ジャパニーズドリーム~理念の革命~

   新時代の日本のあらゆる分野において、「精神的ジャパニーズドリーム」を起こしてゆくための根本理念を提示します。

「新時代の心理学者によせて」(2)   天川貴之

 

 しかしながら、「理念の革命」を標傍する立場からいえば、高次なる無意識に到達することをこそ目標にしなければならないし、かかる高次なる「理念」を中心とする「理念心理学」をこそ、新時代の心理学の中心に据えてゆかなくてはならない。

 従って、心の内奥にある理念の実在を探求し、心の内奥にある理念の法則を探求し、心の内なる理念を顕現せしめることこそが、心理学の本来の使命であるといえるのである。

 かつて、マズローは、フロイトなどの心理学を批判して、人間の醜い面、病的な面のみを強調するのではなくて、人間の崇高なる面、善良なる面をもっと探求するべきだと云われたが、まさしく理念心理学はその延長上にあるといえるのである。

 理念心理学の対極にあるのは、悪しき欲望の心理学であるが、どちらを人間の本質とみるかという点では、実態面としての人間の姿からみれば、後者の意味もないことはないが、「かくあるべし」という人間の本来の使命と神性という観点からみれば、理念心理学こそが真理なのであり、探求され、実現されなくてはならない心理学であるといえるのである。

 マズローは、有名な欲求の段階説で、その最高段階を「自己実現欲求」であると云われているが、これはまさしく内なる理念の実現のことであり、すなわち、「精神的ジャパニーズドリーム」の実現のことなのである。かかる時に、まさしく「至高経験」ともいうべき最高の幸福感を得ることが出来るのである。

 故に、人間として最高の幸福を探求することは自己の夢を探究することと同じであり、それは本来の自己の内なる個性的理念を探究することと同じなのである。

 このように、理念心理学者がこれより後の精神的ジャパニーズドリームの実現に対して果たす役割は非常に大きいといえるのである。

 

(つづく)