「新時代の教育者によせて」(2) 天川貴之
青年は、いつの時代においても魂の師を求める。そして、魂の師の精神的後ろ姿をみて、生長してゆくものなのである。
精神的感化は、深く、永い影響力を、一人一人の魂の内にもつことになる。
知識を教えることは、一見、早い実りを教え子に与えることが出来るかもしれないが、その多くは、人生の一通過点の記憶として早い時期に忘れられてゆくものである。
たとえ、教え子たるものが、知的生産物や芸術的創造物を世に問うことになったとしても、知識的な感化は、知識的な底の浅い創造にしか影響をもたない。
しかし、魂への奥深い精神的感化は、天才をして、その光の結晶たる創造において根源的なる感化を与えることになり、魂の師の精神は、教え子の創造作品の内に宿って、多くの人々に、さらなる深い感化を与えてゆくことが出来るのである。
(つづく)
by 天川貴之