「新時代の心理学者によせて」(5) 天川貴之
かの明治維新にしても、日本の集合的無意識が動き出したからこそ、地上の人々が、同時に、数多く、あたかも突き動かされるような形で、国家を動かしていったのである。
吉田松陰や坂本龍馬などは、誰よりも日本の集合的無意識の動きを敏感に感じとられて、自我を虚しくして、日本の集合的無意識と一体となって、時代精神を体現されたのである。
また、さらに、日本の大転換の産婆役をなすかのようにアメリカの黒船が来航したのも、日本の集合的無意識のみならず、アメリカの集合的無意識も、同時に連動していたからであるといえよう。
このように、人類の心は、地球規模で連動しているといえるのである。
そして、二十一世紀を迎えた今、来たるべき新時代に向けて、確かに、地球的な集合的無意識が、この日本が新生日本として生まれ変わり、精神大国として、本当の意味での神国日本として、世界に良き感化を与えてゆくことを望んでいるということが直観されるのである。
ただし、集合的無意識にも段階があり、第二次世界大戦の時に日本やドイツを動かしたような集合的無意識は、低次なる部分が大きかったといえるが、今度の新生日本建設と新生地球時代建設を動かさんとする集合的無意識は、まさしく、天上最高の神々の意志であるのである。
かかる高次なる無意識に一人一人が目覚めて、精神的ジャパニーズドリームの実現に目覚めてゆかなくてはならない。
かかる高次なる無意識、高次なる理念を解明してゆく心理学者の出現は、新時代創造の燈台なのである。
(おわり)