精神的ジャパニーズドリーム~理念の革命~

   新時代の日本のあらゆる分野において、「精神的ジャパニーズドリーム」を起こしてゆくための根本理念を提示します。

「新時代の小説家によせて」(1)    天川貴之

 

 小説を書くということは、その中において、自己の内なる世界にある所の様々な個性、様々な思想、様々な可能性を、一つ一つ登場人物を通じて創造してゆくということである。

 作者が物語を創るまでは、かかる人物はこの地上に存在しなかったのであるから、まさしくこれは、一つの生命の創造に近いものであるともいえよう。

 例えば、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」にしても「ファウスト」にしても、それはまさにゲーテ自身であり、ゲーテの分身であるが、その本が出版されて、世の中の人々の知る所となるや否や、かつての歴史上の偉人などと同じように、人類史の中において、確たる地位を獲得し、確たる存在感を得るようになるのである。

 そして、彼らの性格や、発された言葉の一つ一つ、なした行動の一つ一つが、あたかも伝記上の偉人の言動の如く人々を感化し、ある時は、人々の人生の指針ともなってゆくのである。

 また、彼らの人生そのものもまた伝記上の偉人と同じような働きをなしてゆき、彼らの人生そのもの、生き方そのものを、内村鑑三の言われるが如く、「後世への最大遺物」となすことが出来るのである。

 

(つづく)

 

 

 

 

  BY 天川貴之

(JDR総合研究所・代表)